おりもの(性病)検査
-
ヘルペス
ヘルペスとは、かなり一般的な病気です。20歳代では60~70%が、50歳以上ではほとんどの人が知らない間に感染してしまっているといわれています。
ヘルペスの病原体は単純ヘルペスウィルスです。単純ヘルペスウィルスに感染しても、明らかな症状が出るケースが多くありません。ほとんどが、体の中に潜んでいる潜伏感染です。潜んでいる間は症状が出ませんが、体の抵抗力が落ちたときなどに、急に出てきて暴れだすのです。
- 症状について
- 初感染では、外陰部に赤いつぶつぶができ、小水疱が多数できます。それが破れて潰瘍になり、治るのに2~3週間かかります。
性交渉による感染がほとんどで、高熱がでて歩けないほど痛くなりますが、再発の場合、症状は軽くなるのが普通です。
妊婦の場合は、出産時に赤ちゃんに感染するおそれがあります。
- 治療について
- 抗ウィルス療法を行います。処方された薬は、必ず指示どおりに使うことが大切です。症状がなくなったからといって、勝手に薬の量を減らしたり、使用を中止することもよくありません。
- 生活上の注意
- 再発予防のために強い刺激をさけましょう。
たとえば紫外線や寒い冬の刺激や過度の過労やストレス、風邪などに注意し食事は栄養のバランスを考えてきちんととり、暴飲暴食をつつしんで、胃腸をいたわることも大切です。
性交渉は控けてください。
-
カンジタ性膣炎
カンジダはカビ(真菌)の一種で、もともと正常な皮膚粘膜に存在していて普段は何も害を及ぼさないのですが、膣の抵抗力が弱った時、例えば、妊娠、糖尿病、抗生物質やホルモン剤の使用後に増殖しやすい傾向になります。
症状は、灰白色の豆腐カス様のおりもので、外陰部がかゆくなるのが特徴です。治療は、膣の洗浄と膣錠の使用、併せて外陰部のかゆみに対して軟膏、クリーム塗布を行います。
カンジダ症は、特に難治性の再発をくりかえす場合が多く、この時はカンジダ治療経口錠や膣の抵抗力を上昇させる薬を飲みながら、定められた期間治療し、その後、再検査をすることが大切です。
期間は症状により7~10日間位の通院を必要とします。
- 一般的な注意
- 1)石けん類は使用しすぎないで下さい。
2)過剰な炭水化物の摂取を控えて下さい。
3)下着は通気性の良いものを着用して下さい。
-
トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫という小さな虫の感染が原因となっています。その感染経路は、性交、入浴の際の腰掛、便器よりうつると言われていますが、実際のところハッキリしません。
症状は、白いあわ状のおりものや水っぽい黄色のおりものが増えたり、外陰部のかゆみなどですが、なかには症状のない場合もあります。
治療は膣の洗浄と膣錠の使用及び経口剤の服用、併せて外陰部のかゆみに対しては、軟膏、クリームの塗布を行い、期間は1~2週間を要します。
- 男性の場合、性病と異なり全く症状がありませんが、膀胱内に潜在して再感染することがありますので、夫婦共に治療を受けることが大切です。男性は経口剤の服用のみで完治します。
- 女性の場合は、治療終了後、5~7日間後に検査を行います。尚、生理中は検査は出来ませんので、生理後になります。
-
クラミジア感染症
- 症状がでにくいため、気がつかないうちに進行
- 男性ではまず尿道炎、女性では子宮頚管炎として起こります。
女性では半数以上が自覚症状がないまま経過し、気がつかないうちに病状が進行したり、パートナーに感染したりすることから注意が必要です。
おりものが増えたり、色の変化があったり性交痛や下腹痛がある場合は進んで検査を受けるようにして下さい。
- 治療しないで放置しておくと、不妊症や母子感染の原因に
- 潜伏期間は2~3週間でに日本では若い女性の5%が感染しています。進行した場合子宮などの炎症、不妊、流産の原因になります。さらに出産のとき産道で新生児にクラミジアが感染して(母子感染)、結膜炎や肺炎を高頻度に引き起こします。
- 症状がなくても気になったら出来るだけ早く検査を受けましょう
- ① 検査は外来で簡単に受けることができます
② 治療は薬を服用するだけ
③ きちんと治っているか再検査を受けましょう
④ パートナーの治療も必要です
-
淋菌感染症
淋菌感染症はクラミジア感染症と並んで若い年代に頻度の高い性感染症です。
淋菌感染症は男性に多く薬が効かない耐性菌が増えているため感染が広がっていますので注意が必要です。
- 原因
- 性行為による感染が主ですが、オーラルセックスにより感染することもあります。
- 症状
- 感染後2~7日間の潜伏期を経て男性は尿道から膿が出るなど症が出現しやがて睾丸炎を起こすこともあります。女性は最初は無症状であることが多く感染に気づかないことが多いですが、おりものが増えたりバルトリン腺炎などの原因になることもあります。
感染が子宮や卵巣まで広がると骨盤腹膜炎となり発熱や下腹部痛を訴えます。やがて不妊の原因になることもあります。
- 治療法
- 淋菌に効く抗生物質を使用しますが耐性菌のため内服では効かないことが多く、当院では注射による方法を取る場合もあります。
治療は必ずパートナーと一緒にすることが原則です。そして治ったどうかの確認がとれるまで性行為は控えたほうが良いでしょう。
Copyright © 2007- KAMIMURA Obstetrics and Gynecology.
All Rights Reserved.